医療法人 はせがわ内科・糖尿病内科クリニック
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生活習慣病

高血圧症

高血圧症とは

血圧は高くても通常、あまり症状は現れませんが、知らず知らずのうちに高血圧の影響が広がります。
無治療で経過すると血管が障害され、その影響は全身に及びます。
血管がたくさんある所ほど影響を受けやすく、具体的には脳、腎臓、網膜などが挙げられます。 また、血液を送り出す際に負担がかかる心臓も高血圧の影響が現れやすい臓器です。それぞれ、脳梗塞、腎不全、眼底出血、心不全などのリスクになります。
高血圧の合併症を予防するために、早期から血圧が高くならないように気をつける必要があります。

予防と治療

日常気をつける習慣としては塩分制限があります。塩分の摂り過ぎにより、高血圧となります。
まずは 今より塩分を減らす工夫をすることからはじめてみてください。(減塩食品を活用する、練り物、ハム、ソーセージなどを避けるなど)
また、肥満の場合は体重コントロールが重要です。
特に内臓脂肪型肥満では脂肪から血圧を上げる物質が多く分泌されます。
塩分制限や減量だけでなく、運動習慣を身につけることもおすすめします。
運動は体重管理の点でも必要ですが、血行を良くして血圧を下げる効果があります。
ただ、血圧がかなり高い場合は、運動中に血圧が高くなり過ぎる可能性もあるので、無理は禁物です。 このほか、禁煙を心がけ、アルコールの飲み過ぎにも注意しましょう。

脂質異常症

脂質異常症(高脂血症)とは

脂質異常症(高脂血症)は血清脂質値が異常値を示す病気です。
血清脂質値とはLDL-コレステロール(悪玉コレステロール)、HDL-コレステロール(善玉コレステロール)、中性脂肪の3つに分類されます。
この値のいずれかがその範囲を超えた状態が脂質異常症です。

LDLコレステロール 140mg/dL
以上
高LDLコレステロール血症
120~139mg/dL 境界域高LDLコレステロール血症
HDLコレステロール 40mg/dL
未満
低HDLコレステロール血症
中性脂肪(トリグリセライド: TG) 150mg/dL
以上
高トリグリセライド血症
Non-HDL
コレステロール
170mg/dL
以上
高non-HDLコレステロール血症
150~169mg/dL 境界域高non-HDLコレステロール血症

血清脂質値が異常でも、通常は症状が現れません。しかし、知らず知らずのうちに動脈硬化となって現れます。動脈硬化が進行すると、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などを発症し、QOL(生活の質)が低下します。
脂質異常症と指摘されたら、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などの発症を予防するために血清脂質値に気をつけておく必要があります。

予防と治療

脂肪分の多い食事をすると、コレステロール値が高くなり、動脈硬化の進行を早めます。中性脂肪は食事量が多すぎたり、清涼飲料水またはアルコールの飲み過ぎ、お菓子の食べ過ぎにより高くなります。
逆に、野菜などに含まれている食物繊維、魚油、豆腐などの大豆製品はコレステロール値を改善させ、動脈硬化の進行を予防します。
また、肥満の場合は体重コントロールが重要です。
体重が適正になると、脂質異常症だけでなく高血圧症や糖尿病などの改善効果も得られます。
食習慣を改善すると同時に、運動習慣を身につけることもおすすめします。
運動習慣は体重管理の点でも必要ですが、HDL-コレステロール(善玉コレステロール)を増やす効果もあります。
HDL-コレステロール(善玉コレステロール)は、血管壁に沈着したコレステロールを抜き取り、動脈硬化の進行を抑えるように働いてくれます。

リスク区分別脂質管理目標値

治療方針の原則 管理区分 脂質管理目標値(㎎/dL)
LDL-C Non-HDL-C TG HDL-C
一次予防まず生活習慣の改善を行った後 薬物療法の適用を考慮する 低リスク <160 <190 <150 ≧40
中リスク <140 <170
高リスク <120 <150
二次予防生活習慣の是正とともに 薬物治療を考慮する 冠動脈疾患の既往 <100
(<70)*
<130
(<100)*

*家族性高コレステロール血症、急性冠症候群の時に考慮する。糖尿病でも他の高リスク病態(非心原性脳梗塞、PAD、CKD、メタボリック症候群、主要危険因子の重複、喫煙)を合併する時はこれに準ずる

高尿酸血症・痛風

高尿酸血症・痛風とは

痛風は「風が当たるだけでも痛い」と表現されるほどの激痛が発作的に起こる関節炎で、主に足に生じます。 痛風発作の激しい痛みは数日間続き、自然に治まってくるのが普通の経過です。 そのため、痛風発作の原因である「高尿酸血症」を治療せずにいる人が少なくありません。
(高尿酸血症とは、からだの新陳代謝で発生する老廃物である「尿酸」が増え過ぎている状態ですが、自覚症状は現れません。)

高尿酸血症により体内で結晶化した尿酸は、関節や腎臓などに溜まります。 その関節に溜まった尿酸結晶が痛風発作の原因となります。 痛風自体は自然に治っても、高尿酸血症を治療しないと再発したり、尿路結石などの合併症が起こり得ます。また、高尿酸血症はメタボリック症候群を合併し、動脈硬化が進行しやすい状態にあります。

予防と治療

痛風予防は高尿酸血症を治療することです。
そして、高尿酸血症の治療は痛風予防のみならず、合併症である腎臓病、尿路結石も予防できます。

  • 肥満を是正する標準体重に減量することが大切です。
    減量すると尿酸値だけでなく、血清脂質値、血糖値、血圧が改善し、動脈硬化の抑制につながります。減量するには適切なカロリーでバランスのよい食事を摂ること、そして適度な運動が重要です。しかし、運動強度が高すぎると、逆に尿酸値が高くなるので注意が必要です。
  • プリン体の摂取は控える肉や魚の内臓類に多く含まれるプリン体は、体内で尿酸に代謝されます。 そのため、プリン体を多く含む食品の摂取は控えることが重要です。
  • 十分な水分摂取水分摂取が十分にあれば、尿酸の排泄が促されます。水分はできるだけ水、お茶などで摂取し、炭酸飲料、ジュースなどの糖分の多い飲み物は避けましょう。
  • アルコールを控えるアルコール類はそれ自体の代謝に関連して血清尿酸値を上昇させるので控えましょう。特に、ビールはプリン体を多く含むので避けましょう。
  • 栄養バランスを考える主食(ごはん・パン・麺など)・主菜(肉・魚・卵・豆腐など)・副菜(野菜類)を組み合わせて摂るようにしましょう。果物は果糖が多いので、摂り過ぎに注意が必要です。
  • 塩分の多い食品は控える痛風を発症したことのある人は高血圧を合併する頻度が高く、味つけも、薄味を心がけることが重要です。

肥満症・メタボリック症候群

肥満症とメタボリック症候群はどちらも肥満のために起こる病気です。

肥満

「BMI」で肥満かどうかを判定します。
BMI=体重(kg) ÷ {身長(m) X 身長(m)} で計算します。
BMIが18.5以上25未満であれば普通体重、18.5未満なら低体重で、25以上であれば肥満です。

肥満症

肥満症はBMIが25以上の肥満で、肥満に関連した健康障害がある場合、もしくは「内臓脂肪型肥満」で減量治療が必要な状態です。
肥満に関連した健康障害としては糖尿病、脂質異常症(高脂血症)、高尿酸血症(痛風)、心筋梗塞、脳梗塞、脂肪肝、月経異常、膝の痛みや腰痛、睡眠時無呼吸症候群などがあります。

「内臓脂肪型肥満」は内臓脂肪面積が100㎠以上のことを言いますが、一般的にはウエスト周囲径で男性85cm以上、女性90cm以上が該当します。

1 耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常など)
2 脂質異常症
3 高血圧
4 高尿酸血症・痛風
5 冠動脈疾患:心筋梗塞・狭心症
6 脳梗塞:脳血栓症・一過性脳虚血発作
7 脂肪肝(非アルコール性脂肪性肝疾患)
8 月経異常、妊娠合併症(妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、難産)
9 睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群
10 整形外科疾患:変形性関節症(膝、股関節)、変形性脊椎症、腰痛症
11 肥満関連腎臓病

メタボリック症候群

肥満症と定義は似ていますが、動脈硬化に焦点を当てたものです。

予防と治療

肥満症やメタボリック症候群の予防や治療は減量が基本です。
また、肥満に関連した健康障害に対する治療も同時に行うことが重要です。

  • カロリーのコントロール消費カロリーより摂取カロリーを少なくし、体脂肪の減量を目指します。極端に食事量を減らすとリバウンドが起こりやすくなるため注意が必要です。生涯無理なく続けられる取り組みが良いでしょう。
  • 栄養バランスを考える摂取カロリーをコントロールしますが、各栄養素の必要量は確保することが重要です。
  • その他の習慣寝る前に食べない、よく噛んでゆっくり食べる、菓子などの間食やアルコール類を控える、運動をするといった生活習慣の改善も必要です。
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